【1/4(水)日本時間12時現在戦況】ヘルソン州チュラキウカでもハイマース大戦果!!携帯没収令は!?ロシア軍野砲も戦車も足りないので余剰人員を歩兵に!!ロシア兵「ロゴの前で写真!」→ミサイル撃ち込まれる!!【軍事情報チャンネル】【ロシア・ウクライナ戦争】

ロシア・ウクライナ戦争

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1月4日水曜日、日本時間午前11時頃に米国戦争研究所が最新の戦況を発表し、各国メディアやSNSでも、随時戦況をアップデートしています。

ウクライナ側に「機能している」と言われたロシアの部分的動員ですが、やはり十分な練度をもった兵員を前線に送ることは難しい模様です。
ドネツク州マケエフカに続いて、ヘルソン州チュラキウカ付近でもウクライナ軍がハイマースにより大きな戦果を上げています。
東ウクライナ戦線では、ロシア軍にやや焦りが見られます。
南ウクライナ戦線では、ドニエプル川の島々を巡る戦いが続いています。
今回はこれらの情報を中心にお届けします。

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ロシア・ウクライナ戦争全体図(引用:Google Mapから筆者作成)

最初に、全体の情報です。

ロシア軍の動員は、動員が始まった当初よりは状況が改善されているようですが、まだ十分な訓練を受けた動員兵を用意するという訳にはいかないようです。
ロシアの兵員要請における組織的な失敗は、ウクライナにおけるロシアの作戦能力を低下させ続けています。
ロシアの軍事情報筋は今月3日、ロシア軍が砲兵と戦車兵として訓練された最近動員された人員を、正式な歩兵訓練を受けていないにもかかわらず、歩兵師団に送ったと主張しました。
歩兵でない部門の人員を歩兵として使うことは珍しくありませんが、動員後に訓練していた兵科と全く別のことをさせるロシア軍のやり方は非常に問題であると思われます。
先ず、ロシア軍は、動員された兵士を前線に送る前に、従来所属していた兵科で戦闘に参加できるようにする訓練の時間が少なすぎます。
また、専門性を高めるための訓練も当然行えていません。
結果として、前線に送られても、真っ先に犠牲者となるのがそのような動員兵です。

ロシア軍は、2022年9月の部分的動員開始以来、ウクライナでの作戦で野砲やロケット砲、装甲車を大幅に損失したため、それらの装備を必要とする人材が過剰になっていると思われます。
ウクライナ東部軍グループ報道官のチェレヴァティ大佐は、ウクライナ東部のロシア軍は現在、2022年の夏のおよそ3分の1の割合でしか砲弾を発射しないと報告しています。
つまり、ロシア軍の砲弾の発射速度が低下しているのです。
ロシア軍が前線のある場所から別の場所へ意図的に弾薬を移動させているという報告から、ロシア砲兵の発射率の低下は、以前お伝えした通り、弾薬の在庫が枯渇した結果であると考えられています。
歩兵戦闘のための訓練も行わずに訓練不足の砲兵を歩兵部隊に配置しても、ウクライナ軍の格好の標的となるだけでしょう。

ロシア軍人の能力の低下は、ロシアの軍備増強の取り組みや、ロシア国防省に対するロシアの軍事情報筋の批判をさらに増幅させる可能性があります。
あるロシアの軍事情報筋は、ロシア国防省が歩兵訓練を行わずに、これらの人員を砲兵の能力だけで訓練し続けるならば、5つの新しい砲兵師団を創設するというショイグ国防大臣の提案と、ルハンシク人民共和国第2軍団に最近設けられた砲兵師団は、人員と砲弾の浪費であるだろう、と論じました。
別のロシアの軍事情報筋は、戦車兵や砲兵を単なる歩兵として勤務させることは、1941年の第二次世界大戦の最も困難な時期にソ連の指揮官でさえ犯さなかった戦争犯罪だと誇張気味に主張しました。
また、ロシアの軍事情報筋は、2015年のドネツク州のデバルツェヴェ攻略作戦でロシアが砲兵部隊を歩兵として配備し、部隊の80%が犠牲となった事件と現状を比較し、そのような決定をしたロシアの指揮官は刑事訴追を受けるべきだと論じています。
さらに、ロシアの軍事情報筋は、ロシア国防総省の部分的動員の拙劣な実施について日常的に批判しており、ロシアの戦力創出力が低下した人的能力を生み出し、ウクライナでの作戦成功を達成するロシア軍の能力をさらに制約するため、今後もロシアの動員体制・教育体制を批判し続けるものと思われます。
ロシア国防省の動員兵配置や教育に対する軍事情報筋の大きな批判は、ロシアの軍事情報筋コミュニティの間でロシア国防省に対する敵意と懐疑心がますます強まっていることを浮き彫りにしています。
ロシア政府は、情報統制とプロパガンダで世論を押さえつけてはいるものの、気付く人は気付き始めています。意外とこういうところからロシア世論に風穴があき、反戦運動が激化、プーチン体制崩壊から停戦へつながるものなのかもしれません。

なお、先日お伝えしたドネツク州マケエフカでのハイマース攻撃による大戦果に引き続き、12月31日ヘルソン州チュラキウカ付近でもロシア軍施設に対し攻撃を実施し、500人以上の犠牲者が出ている模様です。これは現地時間3日のウクライナ軍参謀本部が発表したものです。
CNNも本件について報道しており、ウクライナ軍は敵の位置を把握しているためさらなる攻撃が可能だとしているとのことです。
おそらく今回も使用されたのはハイマースで、利用したのはロシア兵の携帯による位置情報であったのだと思います。ひょっとすると12月31日に多くの兵員は宿舎で休んでいることを見越して、このようなロシア軍拠点に対する一斉攻撃を複数実施しており、他にもあるのかもしれません。
そういえば、部分的動員の初期に、動員兵の悲惨な実情の映像がSNSに流出しすぎであるという理由で、動員兵の携帯没収令が出たはずだったのですが、徹底されていないのでしょうか。

スバトボ方面戦況図(引用:Google Mapから筆者作成)

次に、各地域の戦況です。

まず、東クライナ戦線です。

一つ目は、スバトボ・クレミンナ方面です。

ロシア軍は今月3日、スバトボ・クレミンナのライン沿いの失地回復のため、限定的な反撃を継続しました。
ウクライナ軍参謀本部は、ステルマヒフカ、マキイフカ、プロシチャンカ、ビロホリフカ付近でロシア軍を撃退したと報告しました。

クレミンナ方面戦況図(引用:Google Mapから筆者作成)


今月3日に掲載した位置が確認できる映像ではロシア軍がビロホリフカの1km北で活動しており、ロシア軍がビロホリフカにかなり接近していることを示唆しました。
ロシア国防省は、ロシア軍がクレミンナ地域のウクライナ軍を攻撃するために高価値の軍管区レベルの資産であるサーモバリック砲、燃料気化弾を搭載したシステムを使用したと主張しました。
クレミンナ地域におけるロシア軍の軍管区レベルの資産の使用は、ロシア軍がルハンシク州における決戦のための準備の中で、クレミンナ・スバトボのラインでの活動を優先し続けていることを示唆しています。

ウクライナ軍はルハンシク州におけるロシア軍の兵站を攻撃し続けました。ウクライナ東部軍グループのスポークスマンであるチェレヴァティ大佐は、今月3日に、ウクライナ軍がスバトボ方面でロシアの弾薬庫と燃料・オイルの貯蔵所を破壊したと報告しています。

バフムート方面戦況図(引用:Google Mapから筆者作成)
バフムート方面拡大戦況図(引用:Google Mapから筆者作成)

東ウクライナ戦線の二つ目は、バフムート・ドネツク方面です。

まず、バフムート方面です。

ロシア軍は今月3日、バフムート周辺での攻勢を継続しました。
ウクライナ軍参謀本部によると、ウクライナ軍はバフムート市街地、ロズドリフカ、ソレダル、クラスナ・ホラ、クルディミフカとクリシュキイフカ付近でロシアの攻撃を撃退したとのことです。
あるロシアの軍事情報筋は、ワグナーグループ軍がクラスナ・ホラに向けて攻撃を開始し、クリシュキイフカ、オザリニフカ、オピトネ近くの位置からバフムートに向けて北上しようとする試みを続けていると主張しました。
位置の判明した戦闘映像では、ロシア軍車両と歩兵部隊がソレダルの北で攻撃を受けている様子が映し出されており、ロシア軍がこの地域に陣取っていることがわかります。

ドネツク方面戦況図(引用:Google Mapから筆者作成)
次に、ドネツク方面です。

ロシア軍は今月3日にアヴディーウカ・ドネツク市街地での攻撃活動を継続しました。ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍がアヴディーウカとマリンカ付近で攻撃を行ったと述べました。
ロシアの軍事情報筋は、ロシア軍はクラスノホリフカ近くのドネツク市の西郊外に沿ってウクライナの要塞も攻撃し、ペルヴォマイスケに押し寄せようとした、と主張しました。
別のロシアの情報源は、ドネツク人民共和国第9連隊の部隊がアヴディーウカに向かって前進しており、人員の損失を避けるために小グループで戦っていると報告し、引き続きマリンカでは路上で戦闘が続いていると主張しました。

ロシア軍はドネツク州西部でその集団を強化している可能性があります。
ウクライナ軍参謀本部は今月3日に、ロシア軍がヘルソン方面から移動した部隊を犠牲にしてドネツク市南西部の部隊を強化していることを指摘しました。
確かに南西部はまだ攻勢を続けているようですが、先日「ヴレダールの作戦は終了した。」というロシア側の言葉通り、南部方面でのロシア軍の攻勢はなくなっています。

ヘルソン方面戦況図(引用:Google Mapから筆者作成)

続いて、南ウクライナ戦線です。

ウクライナ軍は、今月2日の時点で、ヘルソン市南西のドニエプル川デルタ地帯にあるポチョムキン島に陣地を築いたと主張しました。
今月2日の時点でウクライナ軍が島の北東部に到達したことを示す位置の確認された映像があり、一部のソーシャルメディアはウクライナ軍が島の一部または全部を占領したと主張しました。
ウクライナ当局者は今月3日にウクライナ軍が島を占領したという「情報はある」が現在公式には確認されていない、と述べています。
1月2日に投稿された位置が確認された映像では、ロシア軍がまだデルタの他の島々で活動していることを示しています。
ドニエプル川東岸への渡河作戦の鍵を握る場所だけに、これらの島々を巡って両軍とも特殊部隊による寸土を巡った争いが続きそうです。

ウクライナ軍は、ウクライナ南部の後方地域にあるロシア軍の集積地をターゲットにし続けました。
今月2日に投稿された位置が確認された映像は、ウクライナの攻撃の後、ヘルソン州のオレシキーにある破壊された「グラン・プリ」という乗馬施設を示しています。
ロシア兵は以前に、作戦安全原則の違反である複合施設のロゴの前に立つ自身の写真を投稿しており、米国戦争研究所は「おそらく攻撃を目標としたウクライナ軍に協力したのである。」と評しています。
また、冒頭でお伝えした通りチュラキウカにてもロシア軍に大打撃を与えています。

このチャンネルでは今後もロシア・ウクライナ戦争の最新情報が入り次第、お届けしていきます。

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